定期テストを廃止した中学校を見て思っちゃったこと

うさぎの雑感
スポンサーリンク

先日、久しぶりにカンブリア宮殿を見ました。

2019年9月26日 放送 千代田区立麹町中学校 校長 工藤 勇一 (くどう ゆういち)氏 |カンブリア宮殿: テレビ東京
2019年09月26放送 千代田区立麹町中学校 校長 工藤 勇一(くどう ゆういち)氏 : 多くの人が頭を悩ませてきた学生時代の「宿題」や「定期テスト」。そんな多くの学生の悩みを解消した「宿題なし」「中間期末テストなし」という中学校が、いま教育業界で注目を集めている。この夢のような中学校こ

話題になっている麹町中学校の校長先生が出演されるとのことだったので。

 

「宿題なし」「定期テストなし」の中学校が注目を集めているそうだけど、

番組を見た感想としては

「考えは共感できる、でもきっとうまくいかない」

というのが率直な感想。

確かに、この校長先生のおっしゃられることはわかるんです。

これからの日本のために自律した中学生を育てるって。

 

番組を見て、思い出したのが20年ほど前からあった「ゆとり教育」っていうやつ。

無理のない学習環境で子供たちがみずから学び考える力の育成を目指した教育。暗記中心の知識の詰め込み教育や過度の受験競争が,いじめ,不登校,少年非行を誘発しているとの批判をうけ,偏差値重視の教育を廃止してゆとりのある教育に転換し,生きる力を育成しようという趣旨のもと実施された。引用:https://kotobank.jp/word/%E3%82%86%E3%81%A8%E3%82%8A%E6%95%99%E8%82%B2-155065

その結果、どうなったかというと学力低下が目に見えて明らかになりましたね。

そんでもって10年ほど前に

「これじゃいかん」

ということで教育内容が増えました。

これって、今回の話に共通するところ、たくさんあると思うんですが。

 

個人的には「ゆとり教育」の考えは間違っていなかったと思うんです。

だって自ら学び考える力って大事ですもん。

なぜそれがうまくいかなかったのか、

一つは教職員の力不足だとおもう。

たぶん、「ゆとり教育」を考えた人ってすごくいろいろ勉強して

それまでの教育ではだめだと思ったと思うんです。

子どもたち自ら考え行動できる教育が必要だと思ったと思うんです。

おそらく机上では素晴らしい子どもたちが続々と出てくるだろう、と予想されていたんでしょうね。

でも末端の先生方がそれをきちんと理解し、

実践できていたか、ということに関しては

正直疑問です。

何をしていいのか、先生自体がわかっていなかったんじゃないだろうか。

「総合学習ってなにしているん?」

って子どもに聞いても

「よくわからん」

という答えも多かったし。

そうこうしているうちに終わってしまいましたね。

今はそこの校長としてやっているからいいですよ。

トップダウン方式でうまくいくでしょう。

でも校長先生が去った後、どうなっていくんでしょうね。

先生は人事異動もありますし。

 

もう一つはみんながみんな「自ら学び考えよう」って思っているわけじゃないってこと。

できる子はいいと思う。

「宿題なし」「テストなし」で自分から進んで勉強する子もいるでしょう。

でも全員が果たしてそうかというと決してそうではない。

できない子もいる。

絶対いる。

ラッキーって思って何もしない子もきっとたくさんいるんだと思う。

じゃあ、そういった子たちはどうすればいいんだろ。

 

塾やっていて思うことは

「子どもが勉強しなくて困る」

という親がすごく多いこと。

勉強しない人たちがどんな風になっていくか、ということをよく知っているからね。

そしたら心配するじゃないですか。

目の前の子どもは勉強していないわけですから。

「宿題は?」

「ない」

ピコピコ(ゲームの音)

「テストあるんでしょ?」

「なーい。小テストだけ。」

ピコピコ(ゲームの音)

こんな家庭も多いような気がする。

「先生、うちの子、家ではまったく勉強しないんですが」

「いやあ、おかあさん、我々は『自律できる中学生』を目指していますので」

 

こうした学校が今後広まっていくのであれば塾の出番は増えるだろうな。