もはや当たり前のようになってしまった「無料体験授業」。
いきなり入塾させる塾はほとんどなくなりましたね。
開塾当初は実にいろいろな生徒たちがやってきます。
体験授業を受け入れる前に、気をつけておきたいポイントをまとめてみました。
人が集まっていないんだから、だれでも受け入れればいいんじゃない?
最初からハードルを下げすぎるのも問題がありますよ。
体験授業の意味とは
一般的に体験授業は費用がかからないため、保護者や生徒が「どんな塾であるか」を数回体験する場として設けられています。
また、複数の塾を検討している場合は、比較をするために受ける人もいます。
それはもちろん、保護者や生徒のためですが、一方で塾のためにも必要な施策となります。
「この生徒をしっかりと見ることができるか」
「この塾のシステムにあっているかどうか」
「きちんと通えるかどうか」
数回の体験授業の間でこうしたことを見極める必要があるのです。
子どもを見て、
「ちょっとうちのやり方では無理そうです」
と断ることもできますし。
体験授業の際に気をつけておきたいポイントを書いていきます。
どんな子でも指導できますか?
僕のところは地域の個人塾ですから、個人的にはどんな子供でも受け入れるつもりではいます。
まあそれなりの経験も積んできましたし。
ただ、やっぱり注意すべき生徒はいますね。
特に塾生が少ない場合、つい目先の利益にとらわれてしまい、後々大変なことがあったりするケースもありますので、だれでもOKというわけにはいきません。
依存性が高い生徒
「先生、わかりません」
「どこが?」
「うーんと、全部。初めから教えてください。」
とにかく自分で考えようとしない。
こちらで一通り教えたところで、教わるということに満足してしまい、自分でやろうとしなかったりします。
塾に通うようになって少しずつ変わっていきますけどね。
マジメでない
塾なので見るからに不良が来るようなことはないのですが、それでもやんちゃな子はやってきます。
塾の帰りに寄り道したり、平気でごみを捨てたり、塾前にたむろしたり。
その子だけならいいんですが、塾のイメージっていうものがあります。
「〇〇君がいるから…」
と敬遠する保護者も実は少なくありません。
塾はほかにもありますので。
授業中集中できない
体験授業の時はある程度の緊張感を持っていますが、数回やっていくうちにネコかぶっているのがばれてきます。
周りの動向が気になったり、
すぐにトイレに行きたがったり、
やたらこっちと目があったり。
同じ学校に行っている子がいたら、別の機会に評判を聞いてみてもいいです。
学習障害かも…
程度の差はありますが、最近ずいぶん多くなりました。
「学校で遅れることがないように…」
ということで塾に来させる保護者も少なくありません。
保護者が最初からそのことについてお話しいただければこちらも配慮できるのですが、そうでないケースも多く、みんなと同じことをさせようとして苦労する場合があります。
とはいえ、専門家ではないですから「学習障害である」と断定はできません。
できることとできないことをはっきりとさせて取り組ませる必要があります。
部活で忙しい
運動部の子に多いのが部活優先のために塾の宿題などができない、というもの。
真面目な子ほど、部活もやって、学校の宿題もやって、塾の宿題もきちんとやろうとするので結果的に自分を追い込んでしまうケースがあります。
授業数を減らしたり、宿題の量を減らしてあげるといった配慮が必要です。
基礎基本ができていない
ずっと勉強してきていなかったために、基礎が全くできていない子も来たりします。
だから塾にきたりするんですが、つっきりで教えなければならない場面も増えます。
もし塾のプログラムにそうしたコースがあればいいのですが、ない場合は家庭教師をお勧めするケースもあります。
やる気がない
正直、一番困るケースです。
「まったくやる気がないので、塾に入れようかと思って」
と保護者がさじを投げて連れてきます。
ですが、初対面の子にやる気を出させるのって、難しいですよ。
「行きたい高校はある?」
「ない」
「やってみたい仕事は?」
「別に」
まあ、やっているうちにやる気を出してくる子もいますけどね。
僕が塾生を受け入れる基準
先ほど申しあげたとおり、よほどのことがない限り、うちの塾の門をたたいてくれた人は受け入れるつもりではいます。
入塾をお断りさせてもらうのは
・人に迷惑をかける
・指示に従わない
ときのみ。
勉強ができるとかできないとかは関係ないです。
塾なので、できなくて当たり前。
よく入塾テストをやっていたりする塾もあるとは聞きますが、ただでさえ、勉強で傷ついている子たちや保護者の傷口に塩を塗るような真似はしたくありません。
体験授業後
「この塾でやってみる?」
という一言で十分だと思います。
もちろん、彼らを受け入れるためのシステムがきちんと構築できることがまず大前提ですが。
体験授業って大事なんですね
指導に責任が持てない、というときは丁重にお断りしましょう