映像授業に頼る危険性

うさぎの雑感
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ここ5年くらいですかね、映像授業を取り入れる塾が増えてきたのは。

以前だとパソコンの金額がそれなりだったため、二の足を踏んでいたところもあったんですが、

タブレットの金額も随分と安くなったため、安価で導入できるようになってきました。

それに伴い、いろいろな会社が映像授業の販売を行っています。

 

塾側としても、今までだと集団授業を行える講師の確保が大変だったわけですが、

映像授業を導入すればその心配はありません。

一人1台のタブレットを渡していればまさに「個別授業」スタイルの塾の完成。

人件費もかからないので塾側にとってもメリットが大きいと言えます。

 

そこで突如出てきた言葉が「自立型学習塾」。

その説明については以下に書いています。

さて、塾を開こう。おすすめの塾のスタイルを教えるよ
おめでとう。塾を開く気になったようですね。塾といっても、昔と違って今やいろいろな形態があります。どれも一長一短があると思います。経営者側から見たメリットとデメリットを教えてあげるね。こあら勉強を教えればそれでいんじゃ...

映像授業を見て、問題を解いていくというスタイルです。

 

僕の塾でも一部のコースに導入していますが、決してメインのコースにはできません。

映像授業だけに頼る危険性を感じているからです。

その危険性とは何かというと…

一方的な授業では子どもは理解できない

ということ。

勉強って納得しながら進んでいくもんだと思うんです。

Aがわかったから、Bへ。

Bがわかったから、Cへ、

という風に。

個別指導でも集団指導でもそうなんですが、Aの説明をしていて、なんとなく「あ、こいつ、わかってないなー」と思うときありますよね?

そうしたら、もう一度Aの説明をするじゃないですか。

そして最後に

「わかった?」

って確認してから(本当はわかっていないかもしれないけど)進みます。

映像授業ではそれができません。

 

確かに、映像授業の授業は私たち塾人からしてみれば授業もうまいし、簡潔だし、若いし(笑)、

「おおっ、これさえ見せれば大丈夫じゃん。」

と思いがちですが、子どもはそうは捉えません。

Aの説明がわからないままBに進むケースもよくあります。

過去に映像授業を導入しようとしてみましたが、子どもの反応は

「わからない」

というのが結構多かったですね。

でも、外から見てみれば、

「お、きちんと勉強しているな」

と思っちゃいますよね。ホントはぼーっと画面を眺めているだけだったりするので。

無言の「わからない」が各ブースにあるかもしれないのに。

これでは子どもたちの満足度を高めることができません。

まあ、導入した映像授業の教材に問題があったのかもしれませんが。

 

ただ、さっき「一部のコース」には導入していると書きました。

それは本当の個別コース。

例えば、もう一度始めからやり直したい子、理科や社会をやりたい子など、

メインのコースでは受講が難しい子のみ受講してもらっています。

 

もし、これから映像授業を導入しようとしている人は、使い方を吟味した方がいいです。

「授業は映像を見せておけばいいや」

という安易な考え方だったら、やめておいた方がいいです。

あくまでもメインはあなたの指導ですから。